2009年7月20日月曜日

イヌの遺伝学はやはり面白い

新しいサイエンスを眺めていたら、

An Expressed Fgf4 Retrogene Is Associated with Breed-Defining Chondrodysplasia in Domestic Dogs

なる論文が目を引いた。2年前くらいに現在家畜化されたイヌ族の系統的ゲノム研究が発表され、それによるとイヌが現在のようにヒトと仲良しになったのは2万年前くらいからだとされていた。そして大型犬と小型犬(これらはヒトが酷い努力を長年に渡ってかけて得られた一種の奇形、正確に言えば固定された変異種)のゲノム構成の差をある遺伝子に求めていた。一般に進化を再現することは困難であるが、イヌ族のここ2万年くらいの進化は比較的科学的にトレースされるのだと知って、面白いもんだと思い当時の抄読会で取り上げた覚えがある。最新のこの論文はFgf4 Retrogene がいつ頃からイヌ族のあるサブ・グループに固定され、どのように未来のイヌたちに受け継がれていったかを示すもの・・・だと思う(定期購読者ではないのでアブストラクトしか読めないの・・・私の推測だ)

このような研究はなかなか臨床家の目に触れない(ように思える)が、数多の最新のヒト臨床研究より実は余程面白いのだ。仲間に頼んでpdfを手に入れるとするか。

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