2010年6月27日日曜日

今週号のNEJM:眩暈とニスタグムスの誘発ビデオ

めまい(眩暈)は何回も登場した。BPPVは「憎らしい耳鼻科のせんせ」のおかげでエプリー法を勉強させられたしな(笑)。(下↓)

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2008年12月4日木曜日

良性発作性頭位眩暈症 (BPPV)

リハビリ入院中の男性患者がこれだったって話。

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今週号のNEJMのイメージはBPPVに伴うニスタグムスのイメージビデオ付き。Dix–Hallpike Testというのは誘発テストの名前のようで、Wikiすると

・・・診断はDix-Hallpike Test(ディックスホールパイクテスト)である。このテストでは患側が下になった場合のみめまいがおこる。そして体動によってめまいが増悪し、時間経過 とともに消失する。患側が上の場合はクプラがストッパーになりめまいは誘発されない。・・・

と出てくる。

A Positive Dix–Hallpike Test, Manifested as Upbeating Torsional Nystagmus with a Fast Component That Rotates toward the Undermost Ear.

そのイメージビデオはこれである。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm0907386

2010,June24 NEJM Number 25 Vol 360 e70

いずれにしても治療はエプリー(これエプレイとも記述あり)法を初めとする、頭の体操である。

2010年6月25日金曜日

偽遺伝子が発現するシステムによるゲノムのコントロール

ある遺伝子の機能を拮抗する、発現レベルで抑えてしまうためには、アンチセンスRNA が有効である。
     ーーー  これには外来性の合成RNA(あるいはDNA)が必要であるが効率が悪い。

そのうちRNA interference RNAiという現象が知られるようになった。これは例の21塩基抑制の走りである。これも外因性アンチセンスRNA。

    ーーー ここまでは外因性であり、これをin vivoで使いこなすのは至難の技であった。せいぜいが培養生物学での話で終わる。治療は現実的でない。

そして最近では内因性のmicro RNAが見つかり、人でも1000個を超える数見つかっている。なかなか捜すのが大変である。
     ーーーーーゲノムの全てから相補的(RNAだからゆるいが)な候補を捜すわけだ。

しかしながら冷静に考えると有力な候補は存在していたわけだ。偽遺伝子のことである。発現しないことになっているため、これまでだれも見向きもしなかったがね。もともと同じ遺伝子から分かれてできたので、くずれてはいるけどかなりの相補性が見出される。あとは反対鎖が発現するかどうかである。これに目をつけたのが2年前の報告であり、今回の報告なのだ。KRASやPTENだったのは耳目を引くため・・・といってもいいだろう。偽遺伝子がcounterpartとして存在する遺伝子すべてにこのバイオロジーは成立する可能性がある。miRNA や発現偽遺伝子はヒト発現遺伝子コントロールの絶妙なる装置だという可能性がでてきたということだ。

なぜにヒトゲノムは広大な砂漠を引きずってきたのか?多くのくずれた偽遺伝子が化石のように眠っているのは無駄なことのように思えるし不経済である。(無駄であるのなら欠失させてしまえば楽なのに!)。広大な砂漠に潜む今は顕在化されていないバイオロジーをひとつ、またひとつ明らかにしていくことがポストゲノム研究の面白さである。多くの若者がこの面白さに目覚めて欲しいものだ。

機能的偽遺伝子、2年ぶり続報:PTENとkRAS

奇しくも二年前の梅雨時pseudogeneが機能的に働く可能性を示唆する論文がNatureに3報同時に出たこと、その最初の一報が徳島大学からのものであったことを引用した。下の記事である。今でも鮮烈に覚えている、なぜかというとこの報告は小生がずっと抱いていたアイデアの初めての実証だったから・・・


2008年6月18日水曜日

おっ とどっこい偽遺伝子は現役だった!

死んだふりをしている偽遺伝子が実はmiRNA(siRNA)の源であったという報告がありました。昨日の昼、「偽遺伝子」のことを考えていたばかりだっ たので、少し驚くと共に研究のアイデアが沸々とわいてきましたぜ。この偽遺伝子の報告はNatureに同時に三報載り、もっとも早いのは徳島大学からの報 告でした。


今週号のNatureにはその癌関連遺伝子版が掲載された。PTENとkRASの偽遺伝子から発現したmiRNAが本来の遺伝子発現産物に干渉する・・・それが発癌に関連するという話である。

アイデア一発だったから、2年前論文が発表されたと同時に癌の研究者を含めて多くの人間がスタートラインに集まったと思う。よーいドンから2年かかって(実際には昨年9月のsubmitされているから一年半〜)ここまで来ている。直ぐには見つからなかったんだね。というのが感想である。

これから2年くらいはpseudogeneとmiRNAの組み合わせ論文が花盛りとなるだろう、特に癌生物学では。ホンモノは誰だ・・・興味は尽きない。

明らかにしてもらいたいこと。
  1. 偽遺伝子発現の実相:その機序
  2. センス側とアンチセンス側の発現の違いをきちんと実証できる実験技術の確立(もちろん臨床例で!)
  3. mRNA発現のための装置ープロモーター等々の構造解析
  4. 転写単位
  5. 発現のオン・オフの機序:組織特異性、疾病特異性、特に癌化に先立つ発現の機序
  6. ゲノムのダイナミックな改変:増幅、欠失、逆位、転座と偽遺伝子発現
等々いろいろあるわな。

Article

Nature 465, 1033-1038 (24 June 2010) Received 21 September 2009; Accepted 22 April 2010

A coding-independent function of gene and pseudogene mRNAs regulates tumour biology

遺伝: 遺伝子および偽遺伝子mRNAのタンパク質コーディングと は無関係な機能が腫瘍の生物学的特性を調節している

Laura Poliseno1,4,5, Leonardo Salmena1,4, Jiangwen Zhang2, Brett Carver3, William J. Haveman1 & Pier Paolo Pandolfi1

  1. Cancer Genetics Program, Beth Israel Deaconess Cancer Center, Departments of Medicine and Pathology, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School, Boston, Massachusetts 02215, USA
  2. FAS Research Computing & FAS Center for Systems Biology, Harvard University, Cambridge, Massachusetts 02138, USA
  3. Human Oncology and Pathogenesis Program, Department of Surgery, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, 1275 York Avenue, New York, New York 10021, USA
  4. These authors contributed equally to this work.
  5. Present address: Department of Dermatology, New York University Medical Center, New York, New York 10016, USA.

メッセンジャーRNA(mRNA)の広く認められている役割は、コードしているタンパク質情報をタンパク質合成の場に伝えることである。しかし、マイクロ RNAがRNAと結合することから、我々は、RNAはそのタンパク質コード機能とは別に調節的な役割をもち、それがマイクロRNAの結合と競合する能力に 依存しているのではないかと考えた。本論文では、RNAのタンパク質コード機能とは無関係の役割を示すモデルとして、 PTEN 腫瘍抑制遺伝子およびその偽遺伝子 PTENP1 によって作られるmRNAの間の機能的関係を調べ、この相互作用がもたらす極めて重要な結果について報告する。 PTENP1 は、PTENの細胞内レベルを調節可能であり、増殖抑制作用を示すため、生物学的に活性であることがわかった。また、ヒトがんでは PTENP1 座位が選択的に失われていることも明らかになった。我々はこの解析を、がん遺伝子 KRAS などの、偽遺伝子をもつほかのがん関連遺伝子にも拡大した。また、 PTEN のようなタンパク質コード遺伝子の転写物は、生物学的に活性であることも示す。これらの知見は、発現された偽遺伝子がタンパク質コード遺伝子の発現を調節 可能であることから、偽遺伝子が新規の生物学的役割をもつことを示しており、mRNAにタンパク質コーディング以外の機能があることを明らかにしている。


2010年6月23日水曜日

マッキントッシュの復建と黄昏のはじまり・・・(1)

最近アップルが勢いが良い。iPodに始まり、iPhone、 iPadと続く一連の製品を見て良かったなあと思うのだ。なにしろ小生はエヴァンジェリストを自負していたからな。初めてマックに触れてから20年たつが、最初の7年で研究用に購入したり、人に強力に買わせたりしたマックは20台くらいはあろうかと思う。それくらい惚れ込んでいたわけだが、実は個人用には持っていなかった。当時はネットもなかったし、家でマックをやるといってもゲームくらいだろうし、出張や会議にマックを持って行くのもうっとうしい、プレゼンはまだまだ「スライド」だったし。個人購入しなかった一番大きな理由は「高価」だったことだ。IIciは100万円を越えていた。レーザーライターは80万から90万した。個人購入したくても、子供が生まれたばかりの貧乏医師にはとてもマックは買えなかったのだ。個人では買わなかったけど、個人で買える財力のある後輩や先輩には強力にマックを薦めた。そそて連中は車を買うよりは安いだろうと、次々とマックを買っていく。エバンジェリストの一つのあり方であろう(ホントカ?)

90年後半のアップルの凋落を見てきただけに、あの当時マックを買うのは、人に買わせるのは「人助けならぬ、アップルをつぶさないため」だったのだ、小生にとって。「つぶれるなよ」と祈っておった。最初マックファンだったのに今は離れていった人間も多く見たが、まあよい。私は未だにマッキントシュ以外のコンピュータで仕事をする気がしない。それだけに、いまマックが勢いがいいのは嬉しい。ジョブズが元気なのも今年くらいまでだろう。それまでに少なくとも財政的に問題のない会社になっておけば充分。シェアが問題。ウイルスが流行らない程度の規模でいて欲しいというのが本音。実際この20年、アンチウイルスソフトを使わずに済んでいたのがマックの魅力の象徴でもあったわけだ。象徴とわざわざ書いたのは「少数派の誇り」とでもうような端から見ればどうでもよさげな「自負心」のこと。現実的にアンチウイルスソフトを使わない世界がどれくらい精神的に健全だったか「窓族」にはわからんだろうな。

シェアが増えるとろくでもないことになる。iPod、iPhoneは本質的に危険ではない。iPadが心配である。ウイルス被爆の対象になるのであろうな・・・・いやだな。

6月はたそがれの季節・・・

この6月はブログの書き込みが極端に少ない。書きたいことがないのに無理して書くのは良くない。題材を探しに行くようになっては素人watcherとしてはおしまいである。自然に目に入ることだけを大事にするのが、偶然の邂逅を待つのが、天然なる啓示をひたすら待つのが肝要な世界なのだ。とはいえ主要誌くらいはbrowsingしている。あたりまえだ。素人watcherは毎朝、新聞を読むくらいのつもりでこの世界を眺めている。「自然に目に入る」というのはそれくらいの意味である。

忙しいのは変わらず忙しいのだ。外来を診なくてはいけない。病棟を回らなくてはいけない。当直もしなくてはいけない。料理を作らなくてはいけない。子供の勉強をみてやらなければいけない。親の相手をしなくてはいけない。サッカーを観なくてはいけない。しかしこれらの「いけない」というのは実は心の底からいやがる性質のものではない。外来や病棟が嫌いではこの仕事をやってはいられない。忙しすぎると「我が身を嘆く」が、でもしょうがないわな。

本当に「いけない」がいやなのは「書類を書かなくてはいけない」と「会議にでなくてはいけない」である。新しい職場でも次第にこの手の実に「いやな」仕事が増えてきている。無駄だとわかっている、しかし惰性で続くこれらの業務。ああ、嘆息する。

fifthdoorさんから頂いたコメント(多謝!)

匿名 fifthdoor さんからコメントをいただきました。3年ブログを書いているが、この間3人の方からコメントを頂いた。年1人(笑)。間違ったことを書いていたことへのご指摘である。であるから、公にしておかなくてはまずいので、匿名 fifthdoor さんのコメントを再掲させていただく。

初めてコメントさせていただきます。

>ヨーロッパとアフリカ人由来700組のトリオ(父と母および子供のゲノム・ セット)の高密度シークエンス、

Over the past few years, the 1000 Genomes Project has undertaken a set of pilot projects including high-depth sequencing of European and African trios, low-coverage sequencing of 60 individuals from each of three populations, and exon capture and sequencing of 700 samples.

トリオのサンプルの解析数は、
CEUとYRIでそれぞれ1組ずつです。
http://www.1000genomes.org/page.php?page=about#ProjectDesign
http://www.1000genomes.org/docs/PilotsSummary.pdf

誤 解があってはいけないと思い、コメントさせていただきました。

700組2100人の高密度シーケンスをやってたら、とんでもない金額がか かってそうですね。

2010年6月21日8:58

削除
Blogger Epistasis さんは書きました...

fifthdoorさん

コメントありがとうございます。確かに700組との記述間違っておりました。訂正させて 頂きます。このブログをお読みの方がいらっしゃるとは驚きです。備忘録のつもりで書いておりますが、なにかありましたらよろしく書き込んでいただけますと 幸いです。

うまくコメントがウェブの画面に出せませんので、fifthdoorさんコメントをブログ本文に再掲させて頂きます。

重 ね重ねありがとうございました

’1000人ゲノムプロジェクト’の訳を訂正しておきます。

2010年6月19日土曜日

1000人ゲノム・プロジェクト(3)

1000人ゲノム・プロジェクトは来年の終わりまでに2,500人のゲノム・シークエンスを終了

1000人ゲノム・プロジェクトについて最初にブログに書いたのは2008年だからもう2年になる。

 1000人ゲノムプロ ジェクト(1)
    http://cancerbiology.blogspot.com/2008/02/1000.html
 1000人ゲノ ムプロジェクト(2)
   http://cancerbiology.blogspot.com/2008/02/1000_24.html


その後の進行が気になっているのだが、なかなか情報が一般メディアには出ないので果たして順調なのかどうか不明であった。最近 ネットサーフィンしてみたら、5月に記事が出ていた。土曜の朝を利用して、ちと訳してみよう。

1000 Genomes
A Deep Catalog of Human Genetic Variation

   
http://www.1000genomes.org/page.php

2010年5月14日

アン ドレア・アンダーソン

1000人ゲノム・プロジェクトは予定通り進行中であ ることがこの5月 に中間報告され、プロジェクト代表ウェルカムトラストサンガー研究所の生命情報工学リチャード・ダービン博士によると、およそ500人分のサンプルが今月末(2010年5月)までにシークエンス されたと報告した。今年の夏までに1,100個のサ ンプルをシークエンスする予定である。2010年度中には1,900個におよぶゲノムサンプルがシークエンス終了し、更に2011年の終わりま でに約2,500個のサンプルがシークエンスされるはずだ。これら のシークエンスにはインドと南アジアからのサンプルが含まれている。

現 時点までのデータシミュレーションによると、ヨーロッパに住む人々のゲノムには1900~2000万におよぶSNPsが存在するようだ。そのうち1パーセント以上の遺伝子座頻度を持つSNPsは800 万個であり、0.1~1パーセントの頻度があるものは600万SNPs、単独で存在するSNPsが250万である。

この数年間に1000人ゲノム・プロジェクトでは準備段階としてのパイロット・スタディとして、ヨーロッパとアフリカ人由来のトリオ(父と母および子供のゲノム・セット)の高密度シークエンス、3つの人種別に60人を選び比較的ラフなシークエンス、700人のエキソン・シークエンスを行った。これらのパイロッ ト・スタディによりヨーロッパ人トリオからは400万 種類、アフリカ人トリオからは500万種類のSNPsが見つかった。そしてラフ・シークエンス研究からは1450万SNPsが、エクソン・シークエンス研究からは12700個のSNPsが同定された。 なおこれらの研究により何千もの欠失、構造変異、トランスポゾンによる挿入も見つかっている。パ イロット・スタディによりいわゆるありふれた多型・変異情報はすでに充分に得られたと言っても良い。さらにこれらの情報はプロジェクト本番研究に大きな示 唆を与えたのである。低密度データセットで特定された1450万SNPsのうち約800万は新規多 型であった。そして100万個を超える新規 SNPsはヨルバ族(これはアフリカ)にユニークなものであった。一方、高密度データ(トリオ由来)は塩基の置換速度を教えてくれる。例えば細胞株における塩基置換の頻度 は体細胞系列の変異速度の約7~12倍速いことがわかった。


これまでのところ数百症例を対象に多型変異を見出そうとするなら解析は低密度解析で十分であることを示唆している。

1000 Genomes
A Deep Catalog of Human Genetic Variation


   http://www.1000genomes.org/page.php

☆☆
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当初の予定よりも対象症例の数が増えている。1000と2500ではえらく違うではないか。ここ数年、シークエンスコストが低減したということなのかね?それとも戦略目標ー簡単にいえばcoverage rateーを変更して、よりラフな楽なシークエンスに代わったのかね?このあたりのことが知りたい。


2010年6月11日金曜日

「はやぶさ」の地球帰還直前の光学望遠鏡による観測について

「はやぶさ」の地球帰還直前の光学望遠鏡による観測について

ある報道によると今回の「はやぶさ」の大気圏再突入速度は、これまで人類が演出したあらゆる回収劇の中でも超弩級の高速スピードなのだそうだ。それを実感させる記述が随所に見られる。「はやぶさ」は逆噴射などの高度なシステムをもたない。隕石、流星が地球に飛び込んでくるのと同じ突入モードなのだ。

頑張れよ。生きてもどってこいよ。


JAXA に案内が出ているが、なかなかリアルで面白い。そのまま引 用してみる・・・。

「はやぶさ」は地球に戻ってくる直前に、リエントリカプセルを切り離します。リエントリカプセルは、そのまま大気圏に突入しますが、カプセルの後を 追うかたちで「はやぶさ」も大気圏に突入します。そのときに、カプセルや「はやぶさ」本体は、流星のように発光することになるでしょう。リエントリカプセルや「はやぶさ」が流星となって流れるのは、高度が100km程度のところですので、オーストラリアのウーメラ立ち入り制限区域付 近でのみ観測されることになります。ここでは、「はやぶさ」が流星となる前に、光学望遠鏡によって観測する可能性についてご説明します。

「はやぶさ」のリエントリは、日本時間で6月13日の午後23時頃となりますが、6月13日の日没後に「はやぶさ」は日本から可視域にあります。場所によって少し異なりますが、だいたい19時で高度が45度くらい、その後、22時で高度10度くらいにまで下がります。この間、探査機までの距離は、 10万km程度から4万km程度にまで変化します。ただし、太陽、探査機、地球の位置関係があまりよくないので、「はやぶさ」の明るさはかなり暗いことが 予想されます(下記の注)。   

3時間で6万キロ動く物体をリアルに追いかけるわけだね。

最後の一時間で4万km移動だが、これは秒速11.1kmである。

       再突入時の速度はIRBMでも秒速2km程度、ICBMであれば秒速約7km程度からするとかなり速い。

日本列島は3000kmだから270秒(4分半)で駆け抜ける速度である。まあ随分速いはわな。


つまり、小型の望遠鏡での観測は難しい可能性があります。

このように観測の条件はあまりよくないのですが、もし、観測を試みていただける方がいらっしゃいましたら、是非、お願いします。

※具体的な位置予報につきましては、いくつかの地点について、下に掲載します。

注1:明るさの予測は難しいのですが、例えば、静止軌道付近にある衛星を観測すると12〜16等くらいになるようです。「はやぶさ」の場合には、距 離がこの静止軌道の衛星より遠いのと、太陽との位置関係がよくなくて、地球から見ると太陽電池のパネルの裏側(太陽の光があたっていない方)が見えること になります。したがって、静止軌道付近にある衛星よりもかなり暗いことが予想されます(図1参照)。

注2:6月12日の日没後でもほぼ同様な時間帯に「はやぶさ」の観測ができますが、距離が50万km程度となってしまいますので、より暗くなってし まいます。

前の日の同時刻にはまだはやぶさは月より遙かに遠いところを飛行中なのだね。

2010年6月9日水曜日

内頸動脈狭窄とangioplasty

70%狭窄がある人がいるのだが、リスクはどうだろうか?

症候性の場合



(過去に、頚動脈が狭窄している側と同側の脳梗塞(一過性の場合も含む)を発症したことがある場合)


70%以上の狭窄の場合(2年間の観察期間)(文献1)


















薬物治療内膜剥離術相対的危険減少率
脳梗塞の発症率26%9%65%


50%から69%の狭窄の場合(5年間の観察期間)(文献2)




















薬物治療内膜剥離術相対的危険減少率
脳梗塞の発症率22%15.7%29%

無症候性の場合


60%以上の狭窄の場合(5年間の観察期間)(文献3)





















薬物治療内膜剥離術相対的危険減少率
脳梗塞の発症率11%5.1%29%