2012年1月28日土曜日

勝木元也博士とH-ras trangenic mouseの皮膚癌のこと:面白いエッセイです

H-rasのことを調べてみた。もちろんNEJMの論文に触発されたからだ。そうしたら勝木元也先生のとても面白い論説を見つけたのだった。これは面白いです。

日本の科学の未来を創る-発生工学の始まり
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6,がんモデル動物に挑戦

一方、野村先生が執着される病気のモデルも気になっていて、癌センターの西村暹先生と共同で、ヒトのがん遺伝子H-rasをマウスに入れました。ヒト遺伝子の機能をマウスで調べられるのかという、これもチャレンジです。
 H-rasは点突然変異が起きると、細胞が癌化する遺伝子です。だから当然がんモデル動物をつくろうと思ったら、変異の起きたH-ras遺伝子をマウスに導入しますよね。ところが、それではがんのマウスはできない。まず産まれるものが低く、産まれても奇形だったりする。ほとんどは子宮の中で胎児が癌化していました。そこで、変異が入っていないH-ras遺伝子を導入したところトランスジェニックマウスが産まれました。ところが、それは3ヵ月くらいたつと大量出血して死んじゃうんです。脾臓が癌化して出血していることがわかりました。そしてその細胞の導入ヒトH-ras遺伝子はすべて突然変異を起こしている。マウスもヒトのH-rasとまったく同じアミノ酸配列を持つマウスH-ras遺伝子を持っているのに、そっちはなんともない。またこのマウスの皮膚にヒトの皮膚癌を誘導する物質を塗ると、皮膚癌になることもわかりました。いろいろな発がん物質を投与したら、だいたい3ヵ月以内に癌化する。つまりH-ras遺伝子に変異が起きる発がんテストができる。まさにヒトのがんモデル動物です。このトランスジェニックマウスは世界のスタンダード第1号になりました。野村先生がとても喜んで下さって、お世話になって感謝していた僕としては恩返しができて嬉しかったですね。・・・・・・・・


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