今回一番おどろいたのは「ザンクトガレン乳癌カンファレンス2011」である。訪問ヒット数ではダントツに多いのである。間違ったことを書いていないか、なんども読み返すのだが、どこもおかしくない。分子分類について興味があるので、この一年乳癌関連の研究会に何回か出たが、相変わらず専門家達の歯切れは悪い。アレイによる分子分類とそこから敷衍される「抗体染色レセプター分類」の違いについて、しゃべる専門家は増えた。がしかし彼らの口調は相変わらずだ。「分子分類はアレイに基づきますが、アレイを実臨床に持ち込むのは現実的ではないので」と言葉をごまかす。アレイ分類と「抗体染色レセプター分類」は違うものだとはっきり言ったらよいのである。「抗体染色レセプター分類」はアレイ分類とよく似た分類ですが、「抗体染色レセプター分類」のほうがコストも手間もかからないし、臨床に役立つので実際はこちらを使うと言えばよい。そのかわり、言葉を変えろといいたい。luminalなんて止めちまえ。basalなんて死んでも口に出さないで欲しい。
「皮膚の脂漏性角化症」もなんで?というくらい訪問者が多い。多いから不安になる。これについては「デルモ(ダーモ)スコピー」のことをその後学んだ。今皮膚科の外来では無くてはならない「リアルタイム拡大顕微皮膚イメージ撮像機器」のようだ。特にメラノーマや悪性皮膚腫瘍と良性変化の違いは拡大皮膚像における色素沈着パターンで、おおよそあたりがつくのだそうだ。この器械が高価な物でないなら、外来に置いてもいいかもしれないね。あの10枚の写真はその後なんどもなんども繰り返し眺めるうちに、なんだかパターンが見えてきたような気がする。セボケラはセボケラのように見えてくるし、メラノーマはメラノーマのように見える。これは反復練習効果であろうか?ブログ作成の効能であれば、これに勝る効用はないな。
「C型肝炎のIL28多型」というのは臨床的にますます大事であるので興味を持たれる方がいるのはわかる。「粉瘤」にこれほど人気があるとは知らなかった。実に意外なのは「粘液嚢胞」である。実に多くの訪問チェックがあるのである。そんなに多い病気ではないはずなのに。「Baker嚢胞」もそうである。不思議だ。「爪甲剥離症」去年も多かったが、相変わらず今年も多いが、何故かはよくわかりません。
今年度残念なのはLgr5が圏外に去ったことである。
さてさて今年も頑張りましょう!
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