古くて新しいテーマである。スピーカーには差があると思う。これに異論があるひとは余りいないようだ。
問題は
- アンプ
- (CD)プレーヤー
- 電源
- ケーブル 等々である。
アンプの至適価格(対費用効果比が最大になる価格のことである)はいったいいくらくらいなのだろう? 5万円だろうか、10万円であろうか、30万円であろうか、100万円であろうか?これがなかなかわからない。いろんな雑誌をみるとカタログは昔ながらに楽しいのであるが、これはこれで虚構の世界であるような気もするのである。
最近10万円くらいから上は皆同じであるという意見をネットで見つけじっくり読み込んでいる。京都大学の教授を長らくされていた志賀先生という工学部の先生のHPであり、これが面白いのである。この先生は材料工学/磁性体の専門家であり、なかなか説得力があるのである。彼の主張は
- オーディオ機器の差を検証したいのなら、ダブル・ブラインドで試聴試験をやって、「差がある」という、その差が本物かどうか検証しなければ認めないという立場である。日本では一切このような検証が行われてこなかった。
- 一方欧米ではこの種類の検証試験がいくつか行われており、それらダブル・ブラインド試験の結果をHPでいくつか解説してあるが、100万円のアンプと10万円のアンプの差を見分けることは、ダブルブラインド試験では、プロのオーディオ評論家や音楽家であっても無理であったことを紹介している。
話は変わるが、最近PNASに「ストラディバリウス」と「現代のバイオリン」をダブル・ブラインドで一流の音楽家に(弾き)聞き分けさせる検証試験が掲載され話題になっていた。一流の耳を持った彼らが選んだバイオリンはどちらであったか?
「現代のバイオリン」がより好まれたというのがその結果なのだ。いかにもありそうな話だが、でもなんか興ざめの実験であるな。
PNAS January 3, 2012
Player preferences among new and old violins
Claudia Fritza, Joseph Curtinb, Jacques Poitevineaua, Palmer Morrel-Samuelsc, and Fan-Chia Taod
Abstract
- Most violinists believe that instruments by Stradivari and Guarneri “del Gesu” are tonally superior to other violins—and to new violins in particular. Many mechanical and acoustical factors have been proposed to account for this superiority; however, the fundamental premise of tonal superiority has not yet been properly investigated. Player's judgments about a Stradivari's sound may be biased by the violin's extraordinary monetary value and historical importance, but no studies designed to preclude such biasing factors have yet been published. We asked 21 experienced violinists to compare violins by Stradivari and Guarneri del Gesu with high-quality new instruments. The resulting preferences were based on the violinists’ individual experiences of playing the instruments under double-blind conditions in a room with relatively dry acoustics. We found that (i) the most-preferred violin was new; (ii) the least-preferred was by Stradivari; (iii) there was scant correlation between an instrument's age and monetary value and its perceived quality; and (iv) most players seemed unable to tell whether their most-preferred instrument was new or old. These results present a striking challenge to conventional wisdom. Differences in taste among individual players, along with differences in playing qualities among individual instruments, appear more important than any general differences between new and old violins. Rather than searching for the “secret” of Stradivari, future research might best focused on how violinists evaluate instruments, on which specific playing qualities are most important to them, and on how these qualities relate to measurable attributes of the instruments, whether old or new.
2 件のコメント:
おはようございます。寺嶋と申します。ときおり、拝見して、最新の知識の窓口にさせていただいております。ありがとうございます。
オーデオの件ですが、買うならこれ以外ありません。バークレー音楽院との共同研究から生まれた、アメリカKOI社のTIGER。 世界最高で、かつコンパクトなスピーカーアンプシステム、わたくしも三年来愛用しています. 小沢征治も絶賛です。
Intervoice Inc Urt. http//www.koi-marketing.co.jp です。
Terashima さん
情報ありがとうございます。ご推薦のKOI Tigerですが、なるほどホームページを拝見すると魅力的ですね。スピーカー2本にサイドウーハーがついて、さらに専用アンプが付いているというのは5.1ch等の家庭用シアターの販売法に準じているでしょうか。
評判の良さは尋常ではないですね。27万円とはいえ、充分購買欲をそそります。
ただ、余りに情報が少なすぎて、もう少し検討してみたいです。実際、自分のCDを持って行って聴いてみたいものです。
いずれにしても、Terashimaさんの投稿なくしては、この製品のこと気づきもしなかったでしょう。感謝申しあげます。
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