年末の書棚整理をこのところやっている。家人からは「捨てろ、捨てろ」の猛チャージを毎年受けつつ生き残ってきた本たちであるので、なんとも愛着が残る本が多い(そうでない本のほうが圧倒的に多いのも事実である。いつか読むだろうと置いてある本)。書棚整理はなかなか進まないものである。あれもこれも読み直しちゃったりするからである。今回はまったのは高田正純さんの二冊の本である。一冊が25年、もう一冊が30年前に出版された本である。面白いのだ。すっごーく面白かった、今よんでも。
「ラップトップかかえて世界一周」というのは旅行記です。そしてルポルタージュなのだ。1990年というネット旧約聖書の時代にラップトップで情報を集めながら世界一周をしたのは世界で高田さんが初めてであろう。御本人がそう書いているので間違いない(?)。まずWWWがないから、現在のネットの概念がない。光ファイバー網はない。でもメールとデータベースアクセスは可能である。これを電話回線で行う。音響カプラを持って世界一周なのだ。一分間のアクセスが数百円の時代である。転送速度が遅いので、画面に文字が送り込まれていくのが目で追える時代だったよな、当時は。世界一周の飛行機周遊券だけを買い、あとは出たとこ勝負でホテルの予約から様々な案件をパソコンでやりながらの旅である。当時の最新鋭の技術が「どうだ!」と記述されているが、今読むと実に「レトロ」だったり、そこまで遅かったっけと思ったり、そんなことも出来なかったんだ!、と思いながら、でも高田さん凄いよ、当時のアレでソレだもの。ネット旧約聖書の列王紀といったところである。
一方同じ著者の「データベースを使いこなす」は今を去ること30年前のパソコン体験なのである。30年前のパソコンといえば、マッキントッシュが出たばかり、NECなら8001あるいは8801くらいであろうか。この時代にパソコンでアメリカのデータベースにアクセスしていた、メールチャットを楽しんでいた高田さんのお話である。正直「ラップトップ・・・」ほどの面白さはない。でも当時のチャットと今のLINEのグループはほとんど同じだし、あるいは小生はやらないけどTwitterやFacebookの原型・・・はしっかりそこにあるのだ。高田さんは誇らしげに「ニューヨークのMikeとチャットをやっているところにハンブルグのScwartzが割り込んできた・・・」なんて書いている。「見たことも逢ったったこともない連中だけど気心は知れている」というようなことも。買い直して読むほど面白い本ではないが、NECの9801はまだ出ていないころ、MS-DOSの時代であり、ネット旧約聖書の創世記に近い時代であり「考古学的」に読み直してしまった。
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