2022年5月5日木曜日

反復構造(1):アルフォイドについて

アルフォイド配列

 ヒト染色体のcentromeric heterochromatinに見られる反復DNA配列の複雑なファミリーである。アルフォイドファミリーは、170塩基対のセグメントのタンデムアレイから構成されている。異なる染色体から単離されたセグメントはコンセンサス配列を示すが、個々の塩基に関しても違いがあり、170塩基対の単位では40%も配列が異なることがある。この繰り返し配列は、数個のユニットがタンデムに並ぶグループに整理され、さらにこれらのグループは1〜6キロベースの長さの大きな配列に整理される。これらの大きな配列が繰り返され、0.5~10メガベースの大きさの配列が形成される。このような大きな、つまり「マクロ」なDNAリピートは染色体特異的である。アルフォイド配列は転写されないので、染色体サイクルの中でまだ定義されていない構造的な役割を担っている。アルフォイドDNA内の配列の変動は、高い頻度でRFLPを生じさせる。これらは遺伝するため、特定の個体やその近親者のDNAを特徴づけるために用いることができる。 (Oxfordより)

下図は

Exp Cell Res Vol 389, Issue 2, 15 April 2020,.から引用。かずさDNA研の大関先生・・・


上図中央の緑三角が170塩基の1単位で具体的な遺伝子配列は下図。
コンセンサスを数えると170程度である。この小単位にCENPと呼ばれる蛋白群が連なり、更にキネトコア蛋白群がくっつき、これが微小管につながる。これはDNAの複製が終わり、そろそろ細胞分裂を始めようかというタイミングで二本のDNAが離れていくための装置である。

複製が終わったばかりの染色体DNAはまだ裸であろう。ここにいろんな化粧が施される。3次構造も複雑に織り込まれていく(なんせ、凝縮した太い染色体をみることができるのは、このタイミングだけだし、私達の染色体イメージは通常の染色糸状態とはかけ離れたものである。Diploid状態も異常なのだ。)

とはいえ一見分離誘導されるだけのために、どうしてこれだけの蛋白が必要なのか不思議でしょうがない。




これは1992年にカルフォルニア大学からでているものを引用。



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