久しぶりの書き込みだから、どうせ読んでくれるヒトもいないだろうが、なぜ書きたくなったかだけ記録しておく。
(とはいえ、このブログさきほどから書き込んでいるが、プラットフォームが随分変わっておりとても書きにくいなあ。最終形が予測できない入力フォームである、とほほ)
今年になり、いくつかの幸運が重なって、小生が遠ざかっていた雑誌媒体に、再度アクセス可能な状況になった。卒業した大学から「名誉称号」を頂き(大した称号ではないです)、それに付随する特権として電子図書館へのフリーアクセス権を与えられたのである。アカデミアにいる人々にはなんでもないことであろうが、私のような民間人には、これはありがたみのある特権なのだ。ほとんどの雑誌にアクセスできるのは嬉しい。NEJM、Science、Natureなどは時々見ていたから懐かしさはないが、PNAS、Journal of Cellular Biology、Journal of Immunology、Cancer Researchなどは10年ぶりなので、本当に懐かしい。昔に比べるといずれも、素っ気ない目次なのが意外である。以前はもっと派手な意匠を凝らしていたと思ったが。
もっとも久しぶりに中身を覗いて、読もうと思えるような雑誌ではすでにない。JIやJCBを10年ぶりに見て、すぐに読みこなせたら大したものだと思う。第一、読みたくなるようなタイトルがない。ほとんど意味不明だ。
昔はできていた"Browsing"が今はできないのが残念だ。この"Browsing"というのは雑誌の一ページ目から順繰りに最終ページまで読めるスタイルのE-magazineである。サイエンスなんて、薄い雑誌だったので、これができていた時代は、本当に冊子体とおなじイメージで読んでいたが、これがいつの間にかできなくなっているようだ。残念。
さてそのサイエンスを久しぶりに読んだら、ゲノム・プロジェクトの最前線の記事が載っていた。Telomere to telomere (T2T)というプロジェクトであり、ギャップなしで端から端までシークエンスしたという記事であった。世の中はこんなのが流行っているのかと興奮したが、実は流行っているわけではなかった。ゲノム・プロジェクトの最終局面であるこの報告は、本当に久しぶりの大快挙であり、本当に久しぶりのbig reportだったということなのだ。
この記事にいきなり、久しぶりにぶち当たった小生は、やはり運が良いと思った。小生のためにこのレポートが今頃出版されたのだろう(笑)と確信する。このレポートは(若干難しいところはあるが)なんとか読めるぞ。Karen Migaという女性研究者が、今の主役らしい。もう一つの主役は、なんとNanopore Sequenceである。2011年ころNanopore Sequenceの記事を書いたことがあるが、あれがものになるんだねえ。大したものだ。アルフォイドの反復配列の山脈を乗り越えるにはsingle molecule sequenceしかないと思っていたが、すごいよ最近は。なんせ、最長Read(一回で連続いくつ読めるか)は 200kを超えるらしい。20万塩基である。 overlapping contigではないのだ。single read (with no gap!)なのだ。小生がショットガンを1995年〜97年やっていた時代は、ベクターで拾っていたのでまあ700塩基読めれば最良だった。これを「しこしこ」contigにつなぐ。
素晴らしき哉、この技術的革新!ー それはそれとして問題は中身である。どんな新しいことがわかったのか?興味津々であり、何回かに分けてメモしておこうと思う。
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