2009年9月3日木曜日

亜急性壊死性リンパ節炎(菊池病)

午前中最後の患者さんは31才の深窓の令嬢風の奥さん。10日くらい前から左の頚部腫瘤に気が付いている。発熱や疼痛はない。軽い上気道炎症状と「親知らず」があるが、咽頭痛はほとんど無い。食事を初めとして、日常生活に全く著変がない。皮膚変化なし。渡航歴(−)、ペット(−)、薬剤服用歴(てんかん等)なし。

軽く触ると浅頚リンパ節群が最大15mm程度に腫れており、個々独立して、可動性極めて良好、弾性硬。癒合無し。圧痛は軽度である。
エコーでみると、下顎、浅頚、深頚にリンパ節が数え切れないほど腫脹している。最大で20mm。リンパ節構造はきちんと保たれている。但し左だけに偏在し、右はごく僅か。

胸写:異常なし。

ここまでくると病気(があったとして)は絞られてくる。そこで白血球データだが、1800(分画正常、異型リンパ球なし)であった。

これはどう考えても「亜急性壊死性リンパ節炎」だろう。発熱や重篤感のないのはむしろ幸いなのだろう。症状の悪化があればいつでも、そうでなくても2週間後においで頂くようにした。症状出たらステロイドか、あるいは確定診断のためリンパ節生検をしなくてはいけないだろうということは申し上げた

いろいろ考えたが、結局、薬は出さなかった。

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