2009年9月3日木曜日

菊池病とメタゲノム解析

「臨床」と「研究」が唐突に入れ替わり立ち替わり出現する本ブログであるが、たまには融合した話題を書いてみたい。

本日出会った(かもしれない・・留保つきだな、まだ)菊池病であるが、いかにも感染性のリンパ節炎の様相を呈していながら、起炎菌は同定されていない。だいたい鑑別疾患は「猫ひっかき病」「野兎病」「トキソプラズモーシス」等々、へんてこな感染症が多いのだ。ウイルス感染症の可能性も否定できないが、現時点で同定されていないのだからやっかいだ。

こんな病態にこそ、メタゲノム解析が有効ではないかと思うのだ。それが希な、培養不能の細菌であれ、ウイルスであれ億単位でシークエンスすれば、何らかのフラグメントがとれてこないとも限らない。

もし本日の彼女にリンパ節生検をすることになったら、ボクは同意を得ておこうと思う。あなたの病気を治すにはあるいは役に立たないかもしれないが・・・といわざろうえないが。こんな症例のリンパ節が5例でもメタゲノム解析されれば、病原体を明らかにできる可能性は大きいのではないか?

同じことは川崎病にも言える。既存の病原体が否定的ながら、やはり川崎病も感染症の可能性を今日まで引っ張っている。川崎の場合、DNAソースを何に求めればいいのかわからないが、MCLSのうち、もっともバックグラウンドが低いのはやはりリンパ節かもね。

奇しくも日本人の名前が残る有名(?)な病気である。日本人がその真の病態を解明したいではないか。菊池病は九州がやるべきではないか?

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