新聞を読むことが楽しい、待ち遠しい・・・なんて随分昔に失った感覚である。毎年正月の分厚い新聞が楽しみでたのしみでしょうがなかった、つい最近までそんな時代だったような気がするが、これはオレの錯覚か。かつて読み応えのあると思ったその内容は、その時代が確かに夢のある時代であったことの反映なのだろうか。いつしか正月の新聞を新聞受けから抜き取ると、まずその重さにがっかりするようになった。科学解説記事が真面目すぎて面白くない。面白い気の利いた記事を書くのが新聞記者の仕事だろうに、全くうきうきすることがないのである。
最近久しぶりに新聞を朝日新聞に戻した。そして週一回挟まれるasahi globeという特集記事を目にして久しぶりに「わくわく」している。こんな特集があるなら、ネットでもっと話題になれよな・・・と思った。ボクが気が付くくらい話題になれよ、と思ったよ。知っていれば随分前に朝日に新聞を戻したのに。asahi globeは面白い。昨日の話題は数学だが、テーマが「リーマン予想」なのである。ゼータ関数も出てくる。素数の分布のグラフも出てくる。大衆紙であるはずの全国紙に「リーマン予想」が堂々と出てくるのがすごくうれしいのだ。全国の「ど田舎」にいる小学生や中学生のうち一万人にひとりくらいは「へー面白いなあ」と思って読んだのではないだろうか?そんななかから数学に興味を持つ天才君が目覚めることは大いにあり得る。
おなじ紙面にジャズピアニストの中島 さち子のことが載っていた。中島は過去30年の間の「大学受験数学界」では東大で今、生物物理をやっている岡田康志と並んで有名な(つまり天才的に数学が良くできる)女性として有名であった。この中島が数学に目覚めたのは中学に入学したばかりのフェリスの数学教師が教えてくれたシュタイナーの定理(だったか?)の余りの美しさに感動してからだという。中島には環境があった。教師がいた。しかしそうでない生徒は山のようにいる、全国には。そんな生徒にとっての全国紙というのは、唯一の標準的な情報源なのだ、今でも。(ネットとは違う)
だからボクはasahi globeには期待している。小学生、中学生に読んで欲しいと思う。一人でも啓発される子供が出れば成功だ。30万人に一人でも同一学年で4〜5人だ。素晴らしいではないか!
0 件のコメント:
コメントを投稿