2010年11月15日月曜日

マンデルブロ死去


マンデルブロが死んだ。ブノワ・マンデルブロ(Benoît B. Mandelbrot, 1924年11月20日 - 2010年10月14日)。生きておられたのですねマンデルブロ。 この方もレヴィ=ストロースと同じように、死去して初めて同時代人だったんだということを知る。



フラクタル構造、こいつ本当は相当に難しい概念なのだろうが、その現実的イメージとして例えば上の絵図などが余りにも日常的に私たちの目に触れるために、我々にとって決して縁がない構造というわけではない。その図形の輪郭をどれだけ拡大しても常に同じパターンが登場すると説明されるが、これを数学者(その創始者であるマンデルブロ)に定義させると、とてもじゃないが理解できないものとなる。何せこうくるのである↓

マンデルブロはフラクタルを「ハウスドルフ次元が位相次元を厳密に上回るような集合」と定義した。あーいやだ、いやだ。まったくわからない。さて・・・、


ところが、人体の構造説明などで突然フラクタル構造などが登場するので油断がならない。例えばこうだ↓




  • ・・・『血管の分岐構造や腸の内壁などはフラクタル構造であるが、それは次のような理由によるものだろうと考えられている。
例えば血管の配置を考えたとき、人体において体積は有限であり貴重なリソースであると言えるので、血管が占有する体積は可能な限り小さいことが望ましい。一方、ガス交換等に使える血管表面積は可能な限り大きく取れる方が良い。
このような目的からすると、有限の体積の中に無限の表面積を包含できるフラクタル構造は非常に合理的かつ効率的であることが解る。しかも、このような構造を生成するために必要な設計情報も、比較的単純な手続きの再帰的な適用で済まされるので、遺伝情報に占める割合もごく少量で済むものと考えられる。』・・・


遺伝情報に占める割合もごく少量で済むというのが、それっぽい。実際非常に不思議で複雑な絵図に見えるマンデルブロのフラクタル図形を数学的に表示すると、至って簡単なものになるのだそうだ。 とにかく視覚的イメージが面白いので、想像力は大いにかき立てられる。無限を考えるのに良い取っかかりになると思う。

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