2012年10月22日月曜日

サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載る・・・

サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載ることはあるのか?
そんなことを調べた論文がサイエンスに載った(ややこしい表現だ)


Flows of Research Manuscripts Among Scientific Journals Reveal Hidden Submission Patterns

論文が雑誌に掲載されるまでにはどんなドラマがあるのか・・・その論文が最終雑誌に採択されるまでのリジェクト暦はどのようなものか?

あるいは最終的な引用回数はリジェクトを受けたことのある論文のほうが高い傾向にあるとか、1000近くの雑誌のリジェクトー採択相関関係にはどのようなものがあるのかを語った論文である。(最近の2年間を参考にしている)

この論文の本体は実はちっとも面白くない。当たり前のことが当たり前のように述べてあるから。でも付属で付いてくるサプリメントのエクセル表が面白いのだ。

どんなことが載っているかというと、世の中にはインパクトファクターがめちゃ低い雑誌に最初蹴られて、次いでnatrureやscienceに採択される論文があるのだということが希にせよあるのだということがわかるのだ。

 三大誌の相関関係を記したのが次の表である。

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science nature cell
science 689 82 0
nature 164 843 0
cell 1 4 NA

 これが何を意味しているかを説明する。

まず青い方からこの表をみる。サイエンスの689というのは、最初の投稿先がサイエンスでそのままサイエンスに採用された論文が689報あるということである。サイエンスに蹴られてnatureに採用されたのが82報あるということ。しかしcell誌にはサイエンスリジェクト論文は一つも載らなかった(natureリジェクト論文も載っていない)。
natureからみると、 natureに蹴られた論文のうち164報はサイエンスに載ったということであるサイエンスとネイチャーこれほど相関関係が濃密な雑誌群というのは他にはない。

次に赤い方から見てみよう。ネイチャーに蹴られた論文の164編、Cellに蹴られた論文の1報がサイエンスに載ったということを意味している。  ネイチャーの方から見てみると、natureに最終的に採用された論文のなかで82報がサイエンスに蹴られたもので、また4報がセルに蹴られたものだということだ。

このサイエンス論文にレビュー紹介を書いたのは ネイチャーであった(ややこしい)
 A study of papers’ histories from submission to publication unearths unexpected patterns.

Rejection improves eventual impact of manuscripts

他の雑誌に蹴られてnatureに載った論文というのがどれくらいあるだろうか?
表を見ると最終的にnatureに載る論文の約一割は他から回ってくる論文のようだ。といってもそのほとんどはサイエンスからである。それ以外で頻度が高いのはcellから4報, nature geneticsから2報, あとは一例ずつでNEJM, Am J Pathol, Neuron, PNAS等々10雑誌くらいある。そのなかに先の低インパクト雑誌が2冊あったようだ。
三大誌に蹴られた論文の行き先もかなり詳しいことがわかる。これは従来の流れ通り、多くの論文がPNASに流れているのであった。


 


















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