2008年12月26日金曜日

化膿性髄膜炎(1)

  • 昼過ぎに休暇中の同僚の持ち患者が意識レベルがおかしいとのナースコールがある。カルテを見るとこの二日40度近い弛張熱がでている。それでもご飯を食べ、特別の症状がない60代の男性で、もともと術後イレウスが解除し退院を待っていたのだそうだ。ベッドサイドの奥さんは実に落ち着いていたがそれでも心配そうに「なんでも調べてください」という。しゃべればちゃんとしゃべる。右足を揚げてといえば、ちゃんと上げるし、左手で力こぶを作らせるとなかなか強い。ただし握力は少し弱いかな。昼ご飯まではちゃんと食べていた。頸部がやや固い。ケルニッヒは陽性というにはあまりに強い・・「膝が悪いので、とても痛くてたまりません」と本人言われる。これは判定不能だ。夕方なんだか了解が取れなくなる。これはまずい。神経内科のO先生に診てもらった。「ルンバールをしてもいいですか?」と言われる。あれよあれよというまに、髄膜炎の診断がついた。髄圧は高くない(130程度)、濁ってはいないが、それでも好中球主体の炎症細胞が増加していた。グラムは陰性であるがこれは経口抗生剤のせいかもしれない。ここまでで夜九時になった。メロペンとアクチダス(抗ウイルス薬)の点滴を処方して、明日を迎えるとことした。

というわけで、久しぶり診断としての腰椎穿刺を診た。麻酔のときとなんか違う。三方活栓から上がってくる髄液はやたら遅いのである。
呼吸性動揺なんてなかった。「はい、首の根っこを押さえて」という意味がボクにはわからなかった。髄液は3本とった。当病院では糖、蛋白、など基本的なこととグラム染色の結果がわかるまで約3時間かかった。

「はい、首の根っこを押さえて」は実は頚静脈を両側圧迫することであり、たたこれだけで正常だと髄圧は「初圧より」100mmH2O上がるのだそうだ。これが Queckensted試験 であった。ということなど、きれいさっぱり忘れていたぞ。

2008年12月19日金曜日

漢方ときん対

実家に帰ってきて、昔やったサルコイドーシスが安定するまで付き合ってくれたかかり付けの先生を訪ねました。私にとっては説教までしてくれる親のような人です。私の筋痛を10年前に理解できずにいた先生は、その後、線維筋痛症が注目されつつある中で、凄く気にしてくれていたようで今の状態、服薬状況など色々聞いてくれて、芍薬甘草湯を試してみないかと出してくれました。漢方医でもあるのです。

と、言うわけで、ノイロ止めたとたんにまたまた違う薬を飲み始めたので比較が出来るかどうか怪しいです(笑)でも、よく、観察してみますね。

ノイロの抜けた丸一日は、あちこち微妙に痛いながらも、機嫌が悪くなるほどの痛みは出ませんでした。こんな日もあるさ、程度。

しかし、同じ日に同じ事を思うなんて。なんだかご縁を感じます(^_^)v

投稿日:2007/03/20 20:46

> 今の状態、服薬状況など色々聞いてくれて、芍薬甘草湯を試してみないかと出してくれました。

8年前に私の関節の痛みが出始めた時、大学病院からの紹介で週に3回肝臓の注射(強ミノという薬です)を打ちに通っていた内科の先生が色々と症状を聞いてくれ、ボルタレン50mgの座薬や温湿布と共に漢方も処方してくれました。

当時、私が「温めれば少し痛みが和らぐ」と言ってましたので漢方の勉強をしておられたこの先生が「芍薬甘草湯」や「ぶし末」「葛根湯」…などなど色々と「身体を内部から温める」のに効くと思われる漢方を出してくれたのです。私は「芍薬甘草湯」もそこそこの効果は感じましたが、何故か「葛根湯」が一番合うみたいで今通ってる病院でも処方して貰っています。身体が冷えそうなときの予防に使っています。

> ノイロの抜けた丸一日は、あちこち微妙に痛いながらも、機嫌が悪くなるほどの痛みは出ませんでした。こんな日もあるさ、程度。

私には「ノイロトロピン」が抜ける一日なんて恐怖です。本当に去年1週間抜けたときの痛みは辛かった。

2007/03/20 20:47

>>2
> > 今の状態、服薬状況など色々聞いてくれて、芍薬甘草湯を試してみないかと
> > 出してくれました。

穏やかな効き目の漢方も選択の余地があると医師からは言われていますが、現在西欧医薬の即効性に頼っているので、もう少し薬の切り分けが出来てから試してみます。

> 「葛根湯」が一番合うみたいで今通ってる病院でも処方して貰っています。身体が冷えそうなときの予防に使っています。

葛根湯は普通風邪の引き始めに使うお薬ですよね、漢方で言う体質に合わせた使い道でしょうか。

> 私には「ノイロトロピン」が抜ける一日なんて恐怖です。

私(あさ)やふぇすさんには、端的に効果があるように見えない薬が、おてやんさんには良く効いているようですね。線維筋痛症のやっかいなところは、症状や薬の効果に個人差が多い事から的確な治療薬が難しいのでしょうね。


* 投稿日:2007/03/20 20:47

暖める系の漢方も色々で、どう効くかは本人の体質、って言うのがこの病気にはふさわしい薬のような予感がしますね。実は当帰芍薬散をしばらく試した事があったのですが、こっちは効きませんでした。微妙なものです。

芍薬甘草湯の効力を実感しているのはフクラハギの張りと攣りです。飲みだす前は、朝一番に「脛がいてぇ」とストレッチするところから毎日が始まっていましたが、このところ、その事は意識せず立ち上がれます。二頭筋の固さも気にしない日が増えました。ま、痛い日は、どうしようもなく痛いですが…

葛根湯。来月半ばでお医者を変ることになっているので、その折にでも試してみようかなぁ…

2008年12月18日木曜日

続:プレガバリンとガバペンチン。

繰り返しになりますが、、、プレガバリンはガバペンチンの効果を高めたモノで、ガバペンチン同様、てんかん以外、慢性疼痛に効果があるとの発表があり、海外(特にアメリカ)では線維筋痛症の治療薬として認可されています。

  • 同様の効果を持ったガバペンチンを使った正直な感想として、①デパケンなどの抗癲癇薬と同様、強烈な鎮静効果がある。(つまり痛くてどうしても眠れない方でも、眠れる、眠らせる。)②同様、鎮静効果が強い為、本人も痛みが軽くなる部分がある。(Caチャネルブロックの効果よりも、鎮静効果によるものが強いと思われます。)③夕もしくは眠前内服でも、朝に倦怠感が強く残る。なので、、、使い方としては、線維筋痛症重症度分類(厚生省研究班・西岡式)で、ステージⅣ以上(全体の15%)の方に限定して使うべきかも知れません。
ステージⅣ
痛みで自力で身体を動かせず、ほとんど寝たきり状態に陥る。自分の体重による痛みで長時間同じ姿勢で寝たり、座ったりできない。

ステージⅤ
激しい全身の痛みとともに、膀胱や直腸の障害、口の渇き、目の乾燥、尿路感染など全身に症状が出る。普通の日常生活は不可能。

当院でガバペンチン使用した患者さんは、ステージⅢ~Ⅳでした(使用時Ⅳ)。それでも、倦怠感が強く、ご本人希望で中止となりました。その後、麻薬の使用も検討していましたが、急によくなられ、ご本人から『よくなってきてるから、まだまだ大丈夫!ここまで薬(痛み止め等)ほとんど頼らなくてやってきたんだから。』と嬉しい言葉頂きました。プラセンタの経絡(ツボ)注射と健康食品(ノニ他)、漢方薬で、現在ステージⅡ程度まで 改善されてきています。

しかし、麻薬と同じくμレセプターに働くトラマドールなどは、線維筋痛症に有効とのデータがありますので、今度ステージⅢ(激しい痛みが持続し、自力での生活は困難)以上の方来られたら、積極的に使っていこうと考えています。

リリカ(プレガバリン)と線維筋痛症

当院通院中の患者さんに3名、線維筋痛症の患者さんがいます。1人の患者さんから、今日、プレガバリン(抗痙攣薬の一種)が線維筋痛症の治療薬として世界では認められているって日経新聞で見たんですけど、、、と教えてもらいました。

リリカ プレガバリン)は日本でも既に抗てんかん薬として認められているガバペンチンの効果を高めたモノで、確かにてんかん以外にも慢性疼痛に効果があるとの発表があり期待が持てますので、ガバペンチンを使ってまず反応を診ようかと考えています。この手のお薬では同じ抗てんかん薬のカルバマゼピンによる三叉神経痛の改善、抗うつ薬のトリプタノールの偏頭痛改善、トフラニールの帯状疱疹後神経痛(などの難治性痛み)の改善などが、Naチャネル阻害と言って神経伝達を阻害する事で痛みに効くとして麻酔科ペインクリニックでは昔からよく使っていました。

しかしこのプレガバリン、ガバペンチンはどうやら少し作用が違うようで、Caチャネルを選択的に阻害する事で活性化した神経伝達を抑えるとされており、糖尿病性末梢神経障害および線維筋痛症を含む各種の慢性疼痛症状に効果があるとされています。しかし抗癲癇(てんかん)薬であるからには、副作用の心配があります。勤務医時代、多くの困った?患者さん[痛みの原因が無いと思われるにも関わらず、常に痛みを大声で訴え続けるなど]に抗痙攣薬を処方し、安静化できた事が多々あります。確かに訴えは減り、本人に聞いても「痛くなかごとなった」と言っていましたので、看護師などお世話するものにとってはありがたかったと思いますが、活動性や活気も減り、本当に良かったのか疑問に思う事も少なく無く、今後処方する場合には注意を要しそうです。

まずは①ノニジュース→②田七人参茶→③ノイロトロピン→④ガバペンチンの順で、しかも少量から使っていこうと考えています。本当は薬使わないで済むのであれば、それがベストですから。




2007-09-19 - 2007年9月18日、そーせい(Sosei Group Corporation)は、線維筋痛症患者を対象にしたAD 337のプラセボ対照二重盲検比較試験で有意なプライマリーエンドポイントの改善は認められなかったと発表しました。

2008-12-09 - 2008年12月8日、Forest Laboratories社とCypress Bioscience社は、線維筋痛症患者1025人が参加したミルナシプラン(milnacipran)の二重盲検第3相試験(MLN-MD-03試 験)で良好な結果が得られたと発表しました。 (3 段落, 261 文字)

カラヤンのシンフォニー38枚組しめて9600円とは!

事務長がトイレで「カラヤンのシンフォニー38枚組」知ってますかという。「いや知りません」
「DGからですが、いくらだと思います?」と聴く。そうさな・・・グラモフォンとはいえ、最近はCDも売れないらしいから、しかも交響曲全集だし、30000円かな・・・
「それが9600円なんですよ」

これには驚いた。で昨夜天神のタワーレコードに初めて行きました。こんなところにあったのね。
なかなかわかりつらい販売の仕方をしていたが、確かに9600円で全部カラヤン。

メンデルスゾーンやチャイコフスキーの全曲が入っているのがうれしい。

お得でした。

カラヤン、1970年代のベートーヴェン交響曲全集

CD1
・交響曲第1番ハ長調 Op.21
・交響曲第4番変ロ長調 Op.60
・『エグモント』序曲 Op.84
CD2
・交響曲第2番ニ長調 Op.36
・交響曲第7番イ長調 Op.92
CD3
・交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
・『レオノーレ』序曲第3番 Op.72b
CD4
・交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
・交響曲第8番ヘ長調 Op.93
・歌劇『フィデリオ』序曲 Op.72c
CD5
・交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
・『コリオラン』序曲 Op.62
・『プロメテウスの創造物』序曲 Op.43
・『アテネの廃墟』序曲 Op.113
CD6
・交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
 アンナ・トモワ=シントウ(S)
 アグネス・バルツァ(M)
 ペーター・シュライアー(T)
 ジョゼ・ヴァン・ダム(B)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ヘルムート・フロシャウアー(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

 録音:1975-77年(交響曲)、1965&69年(序曲)

4777579
ブラームス:交響曲全集(3CD)

(中略)

CD1:
交響曲第1番ハ短調作品68
交響曲第3番ヘ長調作品90
CD2:
交響曲第2番ニ長調作品73
交響曲第4番ホ短調作品98
CD3:
・悲劇的序曲作品81
・ハイドンの主題による変奏曲作品56a
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 
 録音:1977,78年(ステレオ)
 ハイドンの主題による変奏曲のみ1964年(ステレオ)

4777580
ブルックナー:交響曲全集(9CD)

(中略)

CD1&2:
・交響曲第1番ハ短調(1981年デジタル)
・交響曲第5番変ロ長調(1976年ステレオ)
CD3:
・交響曲第3番ニ短調(1980年デジタル)
CD4&5:
・交響曲第2番ハ短調(1980,81年デジタル)
・交響曲第8番ハ短調(1975年ステレオ)
CD6:
・交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(1975年ステレオ)
CD7:
・交響曲第6番イ長調(1979年ステレオ)
CD8:
・交響曲第7番ホ長調(1975年ステレオ)
CD9:
・交響曲第9番ニ短調(1975年ステレオ)

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

4777581
メンデルスゾーン:交響曲全集(3CD)

(中略)

CD1
・交響曲第1番ハ長調 op.11
・交響曲第5番ニ長調 op.107『宗教改革』
CD2
・交響曲第2番変ロ長調 op.52『賛歌』
CD3
・交響曲第3番イ短調 op.56『スコットランド』
・交響曲第4番イ長調 op.90『イタリア』
 エディト・マティス(S)op.52
 リゼロッテ・レーブマン(S)op.52
 ヴェルナー・ホルヴェーク(T)op.52
 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団op.52
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

 録音:1971&72年(ステレオ)

4777917
ハイドン:6つのパリ交響曲と12のロンドン交響曲集(7CD)

(中略)

CD1
・交響曲第82番ハ長調『熊』
・交響曲第83番ト短調『牝鶏』
・交響曲第87番イ長調
CD2
・交響曲第84番変ホ長調
・交響曲第85番変ロ長調『王妃』
・交響曲第86番ニ長調
CD3
・交響曲第93番ニ長調
・交響曲第94番ト長調『驚愕』
・交響曲第100番ト長調『軍隊』
CD4
・交響曲第95番ハ短調
・交響曲第96番ニ長調『奇蹟』
・交響曲第97番ハ長調
CD5
・交響曲第98番変ロ長調
・交響曲第99番変ホ長調
CD6
・交響曲第101番ニ長調『時計』
・交響曲第102番変ロ長調
CD7
・交響曲第103番変ホ長調『太鼓連打』
・交響曲交響曲第104番ニ長調『ロンドン』
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

 録音:1980-82年(デジタル)

4777925
モーツァルト:後期交響曲集

(中略)

CD-1
・交響曲第32番ト長調 K.318
・交響曲第33番変ロ長調 K.319
・交響曲第35番ニ長調 K.385『ハフナー』
・交響曲第36番ハ長調 K.425『リンツ』
CD-2
・交響曲第29番イ長調 K.201(186a)
・交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』
・交響曲第39番変ホ長調 K.543
CD-3
・交響曲第40番ト短調 K.550
・交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

 録音:1965,75-77年(ステレオ)

4777932
シューマン:交響曲全集

(中略)

CD1
・交響曲第1番変ロ長調op.38『春』
・交響曲第2番ハ長調op.61
CD2
・交響曲第3番変ホ長調op.97『ライン』
・交響曲第4番ニ短調op.120
CD3
・序曲、スケルツォとフィナーレ
・交響曲第4番ニ短調op.120
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(CD3:交響曲第4番)
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮) 
 録音:1971年(ステレオ)
 CD3の交響曲第4番のみ、1987年デジタル・ライヴ録音

4777937
チャイコフスキー:交響曲全集

(中略)

CD1
・交響曲第1番ト短調op.13『冬の日の幻想』
・交響曲第2番ハ短調op.17『小ロシア』
CD2
・交響曲第3番ニ長調op.29『ポーランド』
・スラヴ行進曲
・イタリア奇想曲
CD3
・交響曲第4番ヘ短調op.36
・交響曲第5番ホ短調op.64〜第1楽章、第2楽章
CD4
・交響曲第5番ホ短調op.64〜第3楽章、終楽章
・交響曲第6番ロ短調op.74『悲愴』
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1975-79年(ステレオ)
 スラヴ行進曲、イタリア奇想曲は1966年(ステレオ)

2008年12月17日水曜日

頸椎症性脊髄症

頸椎症性脊髄症

22日に入院してくる患者さんはこの病気。予習しとこう。

2008年12月15日月曜日

線維筋痛の圧痛点18カ所


線維筋痛の圧痛点

探そう11カ所!!

前立腺幹細胞の表現系:最新のnature(Nature 456, 804-808)

前立腺幹細胞の表現系

Nature 456, 804-808 (11 December 2008) | doi:10.1038/nature07427; Received 25 January 2008; Accepted 16 September 2008; Published online 22 October 2008

Generation of a prostate from a single adult stem cell

Kevin G. Leong1, Bu-Er Wang1, Leisa Johnson1 & Wei-Qiang Gao1: Department of Molecular Biology, Genentech, Inc., 1 DNA Way, South San Francisco, California 94080, USA


について最新のNatureによればその表現系マーカーは


Lin-Sca-1+CD133+CD44+CD117+

ということだが、これひどくね(笑)

なんでもありではないか!!

CD133と 44ならば去年の今頃高松宮シンポの記録をこのプログに書いたが、117よお前もか!という感じ。M君やI君が昨年ソーターを使って117を133や44とすりあわせるのに苦労していたことが思い出される。

2008年12月13日土曜日

ラヴェル: ピアノ協奏曲:ベートーヴェン、交響曲第5番、第7番

今月のCD購入は(唐突であるが)下の二枚とする。
アルヘリッチのラベルは昔はLP持っていた(ような気がする)。買い直し。
クライバーの五番は一回聴いてみてもいいと思っていた。
  1. ラヴェル:  ピアノ協奏曲 アルゲリッチ(マルタ); CD;   ¥ 891
  2. "ベートーヴェン:  交響曲第5番「運命」、第7番" クライバー(カルロス); CD;   ¥ 1,578
アルヘリッチは最近NYのSloan Ketteringの入院費があの彼女をもってしても払いきれないというエピソードを読んで、そんなかわいそうな人生だったのかと思った次第。毎年音楽祭のすぐソバにいたくせに、何回聞きにいったんだろう?二回か三回か???

しもやけ

体質や遺伝も関係するが、しもやけになる大きな要因は一日の気温差と、皮膚表面の温度だといわれている。
総じて、気温が5℃前後で昼夜の気温差が大きい時期にしもやけになりやすい。
また、手足の周辺の湿度が高かったり、皮膚(特に手足)を濡れたまま放って置くと
気化熱により皮膚の表面温度が下がり、しもやけになりやすい。
そのため、日頃から体(特に手足の指先や、指と指の間)が濡れたら、なるべく早く、
しっかりとふき取り、靴は乾燥させ、手袋や靴下が濡れた場合は早く取り替える事が予防に効果的である。
また、先が細い靴や、ヒールが高い靴を履いていると、足の指先が圧迫されて血行不良になり、しもやけになりやすい。


治療法には、40℃位のお湯と5℃ぐらいの水に患部を交互に付ける
(必ず、水よりお湯につける時間は長くし、お湯から始めてお湯で終わるように。)
方法や、患部を温めながらマッサージする方法、トコフェロール(ビタミンE)を服用する方法などがある。

塗り薬なら

(初期の軽いものならビタミンEを多く含む食品(レタスなど)を食べることで一週間程で治ることもある)

しもやけと似た症状の病気に、膠原病の凍瘡状狼瘡や全身性エリテマトーデスがあるため、
暖かくなっても直らない場合には皮膚科で診療を受けると良い。

2008年12月10日水曜日

遺伝子型スコアは2型糖尿病リスクの予測能に優れているか?

Meigs JB et al. Genotype score in addition to common risk factors for prediction of type 2 diabetes. N Engl J Med. 2008 Nov 20; 359(21): 2208-19.

遺伝子型スコアは2型糖尿病リスクの予測能に優れているか?

遺伝性の2型糖尿病のリスクの予測に新時代到来か? 家族性糖尿病を有する人は有さない人に比べ2〜6倍のリスク増大がある。また最新の研究で、複数の遺伝子座が2型糖尿病のリスクと関連していること(リスク対立遺伝子ごとに5〜37%増大)が証明されたことを受け、マサチューセッツ総合病院遺伝子治療部門のJames B. Meigs氏らは、これら遺伝子座に関する知見を用いることで糖尿病リスクの予測は、従来の臨床的なリスクファクターのみを用いた場合の予測能よりも優れたものとなるのではとの仮説を立て検証を行った。NEJM誌2008年11月20日号より。

糖尿病と関連する18の遺伝子型スコアについて検証

検証したのは糖尿病と関連する18の遺伝子座。フラミンガム子孫研究(Framingham Offspring Study)の参加者2,377例を対象とし、18遺伝子座のSNP(一塩基多型)の遺伝子型を確定し、そのリスク対立遺伝子の数から遺伝子型スコアを作成。一般に用いられている臨床的リスクファター単独の場合と、それに遺伝子型スコアの情報を加えた場合との、糖尿病リスクの予測能を、それぞれC統計量を算出してロジスティック回帰分析にて比較した。

従来の予測能と大差なし

追跡期間は28年。この間に確認された糖尿病の新規発症は255例だった。

糖尿病発症者の遺伝子型スコアの平均(±SD)は17.7±2.7、未発症者は17.1±2.6(P<0.001)だった。

遺伝子型スコアを用いた場合の糖尿病リスクの予測能(性補正後)は、用いなかった場合に比べて1.12倍(95%信頼区間:1.07〜1.17)だった。

C 統計量は、遺伝子型スコアを用いなかった場合は0.534、用いた場合は0.581(P=0.01)。補正後モデル(性、自己申告による糖尿病家族歴にて)のC統計量は、遺伝子型スコアを用いなかった場合は0.595、用いた場合は0.615(P=0.11)。さらなる補正後モデル(年齢、性、家族歴、 BMI、空腹時血糖値、収縮期血圧、HDLコレステロール値、中性脂肪にて補正)のC統計量は、遺伝子型スコアを用いなかった場合は0.900、用いた場合は0.901(P=0.49)であった。また、遺伝子型スコアで、対象者のリスクが適切に再分類された割合は最大で4%だった。

これら結果を受けMeigs氏は、「18遺伝子座から作成した遺伝子型スコアで、地域集団での糖尿病の新規発症を予測することはできるが、従来の臨床的なリスクファクターでの予測よりわずかに優れているにすぎなかった」と結論している。

2008年12月8日月曜日

高アンモニア血症

 モニラック原末は、1g中に、結晶性ラクツロースを、1000mg含有している。モニラック原末は、成人は、高アンモニア血症治療を目的とする場合には、通常、1日19.5〜39.0gを3回に分けて内服する。また、産婦人科術後の排ガス・排便を目的する場合には、1日19.5〜39.0gを朝夕2回に分けて内服する。また、小児便秘症改善を目的とする場合には、通常、0.33〜1.30g/kg/日を、3回に分けて内服する。

 ラクツロース・シラップ「日研」は、1ml中に、ラクツロースを600mgを含有している。
 ラクツロース・シラップ「日研」は、高アンモニア血症に伴う症候(精神神経障害、脳波異常、手指振戦)の改善を目的として、使用される。ラクツロース・シラップ「日研」の投与量は、通常、成人は、1日30〜60mlを、2〜3回に分けて、内服する。
 内服したラクツロースは、分解(消化)や吸収されないで、下部消化管に到達し、ビフィズス菌、乳酸菌によって分解・利用され、有機酸(乳酸・酢酸)が、産生される。有機酸によって、腸管内pHが酸性化し、アンモニア産生菌の発育が抑制され、腸管内アンモニアの吸収が抑制され、血中のアンモニア濃度が低下する。

マイクロRNAの現況=サンガーセンターのmiRBase

マイクロRNAの現況

MicroRNA Listing for Homo sapiens

サンガーセンターのmiRBase
  1. 現在リリース12.0でありヒトのmiRNAはhsa-let-7iに始まってmiR-944が最終登録:欠番も多い
  2. ヒトの総数は851個:個々のmiRNAやそのターゲットが知りたいときは
  3. let-7には現在16種類のsubfamilyがあることになっている。アジレントのアレイではうまく見分けることができるのだろうか、心配だ
  4. Ambion社のアレイ:(miRCURY LNATM miRNA ArrayHomo sapiens)( miRBASE ver.11.0) 866(98%)が搭載
  5. Agilent社のアレイ:((Human miRNA マイクロアレイ キット (V2))723種類のヒトmiRNA および 76種類のヒトウィルスmiRNA を搭載( Sanger miRBase v.10.1)
  6. 例えばlet 7aのターゲット遺伝子が知りたければ「ここ」を見る。
  7. 逆にmycをターゲットとするmiRNAが知りたいときは「こちら」を見る。
  8. 以上サンガーが一番充実しているという話。

2008年12月7日日曜日

miRNAの昨今・・・と福岡国際マラソン

頼まれ総説に催促のファックスがあり、この土日は書き物に没頭している。とはいえ、本日の福岡国際マラソンはやはり欠かせない。引きづられるように見てしまった。優勝タイム2時間6分10秒もすごいけど、30−35、35ー40のラップタイムがそれぞれ14分17秒、14分45秒というのが素晴らしい。30−35kmではテレビで見ていてもずいぶん速いなあと思い、そのラップタイムを自分なりに予想してみた。その予想タイムは14分そこそこであり、とても信じられなかった。が、例によってテレビの解説者たちはまったく気がついていない。これだから最近のテレビマラソン中継は深みがないのだなあ。

さて、総説であるがmiRNAについてである。久しぶりにmirBaseをのぞいてみた。今現在12.0までリリースが伸びている。今年の九月現在だ。総数は8000〜9000でありヒトは851まで増えている。miRNAについて最初に仕事をした頃はヒトの総数は軽く1000を超えるだろうと言われていたが、思いのほか伸びない。しかしBioImpactで新刊論文を見てみるとすでに3794件ものmiRNA関連論文が発表されている。研究は花盛りなのだ。レビューだけでも830もあるのだ。(ということを今知った!)。こんな状況で私の出番などあるのだろうか??

Biological principles of microRNA-mediated regulation: shared themes amid diversity.
Flynt AS, Lai EC.
Nat Rev Genet
. 2008 Nov;9(11):831-42.

こんなんとか

Gastroenterologyの論文

Micro-RNAs in Gastrointestinal and Liver Disease
これは現在on lineだけだけどCroceラボの最新レビューということで読んでみた。

まあ、こんな論文があるだけにまとめ方も難しい・・・とはいうものの、まだまだmiRNAの世界もimmatureなのだ。どうにでも切り取れるし、観点を絞ればいくらでも面白い総説は書ける。ようはなんでもありの総説にはしないことだろうな・・・

というわけで、今現在執筆中。



2008年12月4日木曜日

良性発作性頭位眩暈症(BPPV)

リハビリ入院中の男性患者がこれだったって話。

なんの手もかからないため、ドクターがよろこぶタイプの患者さんYさん。退院間近の先週、ベッドから起き上がろうとして本人曰く「失神」した。失神と本人がいうくらいだから失神なのだ。数分のようである。当直医がいろいろ診てくれている。失禁や神経脱落症状はない。CTも異常ない。心電図もだ。一応ホルター心電図も取るが、失神エピソードを起こすような所見はない。Tilt試験といってベッドを機械的に起こして立位にする間の血圧変化(要するに起立性低血圧)を診たが優位な変化はないようだ。

メリスロンやリズミックといった薬を出してみるが、効果なし。さすがの私もこれは「頭位なんちゃら目眩」ではないかと思った次第。で、本日の耳鼻科ドクターの診断がこの「良性発作性頭位眩暈症(BPPV)

これ治療法が面白い「お邪魔石を追い出そう!』

という理学療法

典型的な後半規管障害型の良性発作性頭位眩暈症に対しては、「エプレイ(Epley)法」「パーンズ(Parnes)法」「セモン(Semont)法」などの理学療法が行われます。これらの理学療法は、障害のある後半規管内を浮遊する耳石のような物質を加速度によって半規管から排出させようとする治療法であり、初発例から長びいている例まで、1回の手技で半数以上の患者さんを完治させうる極めて有用な治療法です。
 しかし、これらの治療法を行うためには、どちらの耳が障害を受けているのか、すなわち患側を診断することが不可欠です。患側の診断には眼振所見の評価が必要です。受診時に眼振が消失している患者さんや頭位変換眼振検査がうまく施行できない場合は、「ブラント・ダロフ(Brandt-Daroff)法」が施行されます。この治療法はいわば非特異的な運動療法であり、上記の患側の後半規管をターゲットとした特異的な理学療法のような劇的な効果はありません。セモン法とブラント・ダロフ法は、患者さんが自ら習得して自宅で励行可能なので、1回の手技で治癒しなかったケースでは考慮されるべきです。水平半規管型の良性発作性頭位眩暈症に対しては、「レンパート(Lempert)法」という理学療法が施行されることがあります。ブラント・ダロフ法も一定の効果があります。

耳鼻科のおいしゃさん「エプリー法をやってみてください」と捨て台詞を残していつの間にか帰ってしまいましたことよ。やりかたがわからんぞ!

で調べたの得プレイじゃなくてエプレイ法

2008年12月1日月曜日

Ogilvie症候群

急性偽性腸閉塞のネオスチグミン治療

テーマ:消化器

急性偽性腸閉塞(急性麻痺性イレウス、Ogilvie症候群)は、手術後や重篤な病態に合併して発生することがある。初期の診断には腹部単純レント ゲンが最も有用で、重症(盲腸の径12cm以上)や保存的治療で軽快しない場合には、大腸内視鏡的ないし外科的な減圧処置が必要。減圧処置が遅れると、盲 腸の虚血を誘発して、14~40%で穿孔をきたし死亡率も40-50%に達すると報告されている(文献1)。

腹部が膨満しておりレントゲンで大腸拡張が認められ、盲腸の径が10cm以上で、保存的治療で24時間以上軽快しない場合、大腸内視鏡などで減圧処 置をする前にネオスチグミンの静脈注射が有効という報告がある(文献2)。ネオスチグミン2mgを3-5分かけて静注。奏功率は91%、効いたかどうか、 あるいは副作用有無の見極めには4時間。腎機能正常であればネオスチグミンの半減期は1時間20分。主な副作用は徐脈・徐脈性不整脈で、その場合は硫酸ア トロピンで対処する。

ネオスチグミンは抗コリンエステラーゼ薬で、安価(ワゴスチグミン注2mg:¥277)。β遮断薬使用中や、RMIの症例では禁忌(心筋梗塞へのOgilvie症候群の合併が報告されているが)。

  1. 文献1:Vanek VW et al. Acute pseudo-obstruction of the colon (Oglivie's syndrome). An analysis of 400 cases. Dis Colon Rectum 29:203-210, 1986
  2. 文献2:Ponek RJ et al. Neostigmin for the treatment of acute colonic pseudo-obstruction. NEJM 341:137-141, 1999