1970年 神経末梢部における液性伝達物質、およびその貯蔵、解離、不活化の機構に関する発見
1971年 ホルモンの作用機作に関する発見
1972年 抗体の化学構造に関する発見
1973年 個体的および社会的行動様式の組織化と誘発に関する発見
1974年 細胞の構造的機能的組織に関する発見
1975年 腫瘍ウイルスと細胞内の遺伝物質との相互作用に関する発見
1976年 感染症の起源および伝播の新たな機構に関する発見
1977年 脳のペプチドホルモン生産に関する発見ペプチドホルモンのラジオイムノアッセイ法の開発
1978年 制限酵素の発見と分子遺伝学への応用
1979年 コンピュータ断層撮影の開発
受賞理由を一瞥して受賞者とその具体的研究内容が思い浮かぶであろうか?
- 70年はおそらくアセチルコリンレセプター関連(違った!ノルアドレナリンやアドレナリンの仕事だった。)
- 71年はよくわからない(実はc-AMPの発見だった。小生は学生の頃cAMPが大嫌いだった。よくわからない割に大きな顔をしているから)
- 72年は抗体が定常部と可変部からなることを生化学的に明らかにしたエーデルマンらの仕事
- 73年は医学生理学賞としては極めて異色。「動物行動学」ローレンツやティンバーゲンの刷り込みの仕事等々である。
- 74年はとてもわかりにくいが、細胞内小器官の分離あるいは小器官由来構造の単離法開発。遠心分離が関連している。
- 75年は癌が久しぶりに受賞した年。とはいえ内容は腫瘍ウイルスと逆転写酵素の発見についてで受賞理由は控えめ。
- 76年はこれはとても良く覚えている。1人は豪州のブランバーグ。今では誰も使わない業界用語であるAu抗原。オーストリア抗原の発見である。すなわちB型肝炎ウイルスの発見である。東京大学(のち九州大学)大河内先生残念無念のブランバーグ単独受賞であった。でもう1人はクールーである。Creutzfeld-Jacobのちのプリオンで二度目の受賞となるテーマであった。slow virus infection.
- 77年シャーリーとギルマンの視床下部ホルモンの単離競争
- 78年この制限酵素は誰に業績があるのかよくわからん。
- 79年のこの受賞には驚いた。この頃のCTは臨床では頭部だけであった。それでも脳内を見ることができるというのが革新的であった。それまで学生が脳外科や神経内科で覚える画像といえば、単純Xp、血管造影ーこれを3Dで撮って目の前に2枚並べ眼力で立体視する訓練をさせられたなあ。あとはシンチ(信じられない!)あと脳室気写、脳槽造影などなど。
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