先にイェルネのイディオタイプ・ネットワークセオリーが今やかえりみるヒトすらいないと書いたが、免疫学においてイェルネの存在感は相当なものであったということは同時期学生から大学院学生であった小生にも実感できた。当時の免疫学は実態が杳として知れず、空想あるいは想念的、言葉を変えれば「理論免疫学」が大手を篩っていたが、その中でも教祖的存在がイェルネであった。
教祖様として絶頂時にネーチャーだかに載ったマンガを今でも覚えている。それは中世ゴチック教会のおそろしく裾の長い黒服を着たイェルネがオーケストラを指揮している姿をカリカチュアしたもので、標題には「GOD」と書いてある。当時の免疫学学界ではイェルネが神がかりの扱いを受けていたことがわかろうというものだ。そしてGODには確かに彼の主張が込められていた。それはGeneration of diversityというものである。30年くらい経つと思うが鮮明に覚えているぞ、このマンガ。ネットで探せば見つかるかもしれないね。
ちなみに現在イディオタイプ・ネットワークセオリーはどのような扱いなのであろう? グーグルで検索するといったいどれだけの検索数が上がってくるのだろう?それがまあ驚いた! たったの44件である。なんなのだこれは!ノーベル賞のテーマであるぞ。イェルネをWikipediaするといろいろ伝記的事項が掲載されるが、これまた驚くべき事にイディオタイプ・ネットワークセオリーが出てこない。
その中で極めて興味深い記述を見つけた。 これは後述する。
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