2012年3月4日日曜日

オキーフの絵と閉鎖孔について


さて今日は閉鎖孔ヘルニアにこだわったが、それは昨日そのヘルニアに出会ったからではない。実際閉鎖孔ヘルニアにはそうそうは出会わない。この4年でも自分の症例で一例、同僚の症例でもう一例といったところである。いずれも痩せた老女であるというところは教科書通りであり、いすれも直ちに手術になったのも同様である。

閉鎖孔ヘルニアのCTイメージでまとめようという気になったのは、じつはジョージア・オキーフの絵に触発されたからなのだ。昨日本屋で立ち読みしていた本が画集というか、名画集というか、雨宮塔子氏のお書きになった著書であった。これが意外に面白く、我を忘れてずーと読み続けていった(立ち読みであるが)のだが、その最後のころにいきなり驚きの絵が登場したのだ。それがオキーフの「骨盤」という絵であった。アメリカの画描きはろくな人間はいないとうのが僕の意見であるが、実際、オキーフもあのアンバランスに大きな花の絵など、どうしたものかね〜と思っていたわけだ。それがこの骨盤の絵である。Pelvis with the distanceというのがその絵の名前であるが、僕はしばらく息が出来なかった。子供の頃、ダリを初めてみたときのことを思い出した。それくらい、好きな絵柄であったのだ。

オキーフは「骨盤の孔からのぞく青空」に魅惑されたようで、実際彼女には骨盤の絵が何枚もあるのだ。

さて、その骨盤の孔である。ずっと絵を見ていて、ふと我に返る。この孔ってなんだっけ。そうだよ、閉鎖孔だよ。

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