クレアチンキナーゼ CK(CPK)
クレアチンキナーゼCKは、骨格筋、心筋の可溶性分画を中心に存在する酵素で、細胞の損傷によって血液中に遊出する酵素
アイソザイム
血液内への逸脱の主体はMM型で約95%を占める。MB型が約5%を占める。
BB: 大脳のほとんど
MB: 心筋の約20%
MM: 骨格筋のほとんど。心筋では約80%。
- 心筋梗塞ではCKが上昇。
- 骨格筋と心筋のCKはそれぞれCK-MM・CK-MBアイソタイプなので、CK-MBを計測すればCK上昇の由来はわかる。
- 昨今ではトロポニンTなどのより鋭敏で早期に心筋梗塞を診断できる検査があり、CK-MBが活用される機会は減った。
- 腸などに存在する平滑筋にもCKがあり(CK-BB)、腸の「梗塞」である腸間膜動脈閉塞症などではCKが上昇する。
- CK-BBは脳にもあるが、脳の病気でCKが上昇することはない。
上昇する疾患
- 心疾患: 急性心筋梗塞(急速に上昇し急速に減少する)、心筋炎、心房細動
- 骨格筋疾患(主としてCK-MM増加): 筋障害(外傷、熱傷、電気的除細動、運動後など)、横紋筋融解症、凍傷、アルコール性ミオパチー、アルコール中毒、進行性筋ジストロフィ、筋萎縮性側索硬化症、皮膚筋炎、多発性筋炎、痙攣、周期性四肢麻痺の発作時、低カリウム血性ミオパチー、悪性高熱症、Kugelberg-Welander症、筋グリコーゲン蓄積症、Charcot-Marie-Tooth 症候群、Malignant hyperpyrexia の発作時
- 中枢神経疾患: 頭部外傷の急性期、脳血管障害の急性期、脳血栓、髄膜炎、精神病
- 内分泌代謝疾患: 甲状腺機能低下症、糖尿病、末端肥大症
- 悪性腫瘍(CK-BBが出現): 胃癌、大腸癌、肺癌、前立腺癌
- 気管支喘息
- マクロCk血症(免疫グロブリン結合CK)
免疫グロブリンとクレアチンキナーゼが結合し、検査上高値となる症候があり、マクロクレアチンキナーゼ血症と呼ばれる。ほとんどは疾患を意味するものではないが、時に悪性腫瘍や膠原病によるマクロCK血症もあり、注意を要する。 - 薬剤(スタチン系): 筋障害や横紋筋融解症。筋障害をもたらす他の薬剤と併用しなければ0.1%以下。睡眠薬中毒
- 我が社で併用に気を付けるべき組み合わせは「ベザトール 」と「リピトール」あるいは「クレストール」である。
《フィブラート系薬剤》
クロフィブラート |アモトリール(住友)他32社 |
|ベザフィブラート |ベザトールSR錠(キッセイ) |
|クロフィブラートアルミニウム |アルフィブレートカプセル(日研化学) |
|シンフィブラート |コレソルビンカプセル(吉富)他5社 |
|クリノフィブラート |リポクリン錠200(住友) |
《HMG-CoA還元酵素阻害薬》
スタチン 主な商品名 製薬会社 備考 アトルバスタチン リピトール アステラス製薬/ファイザー - シンバスタチン リポバス(Zocor) メルク(MSD)/万有製薬(現:MSD) - セリバスタチン セルタ(武田)、Baycol バイエル 副作用のため2001年以降各国で回収対象 ピタバスタチン リバロ 興和創薬 - プラバスタチン メバロチン(Pravachol) 第一三共/ブリストル・マイヤーズ スクイブ 製品化は1989年、後発医薬品あり フルバスタチン ローコール ノバルティスファーマ/田辺三菱製薬 - メバスタチン (未製品化) - 最初に発見されたスタチン(1973年) ロスバスタチン クレストール 塩野義製薬/アストラゼネカ - ロバスタチン メバコール メルク(MSD) 初めて製品化されたスタチン(1987年)
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