2014年1月4日土曜日

昨日と今日、朝日新聞が熱いようだ。実に面白い。

正月が明けて新しい年を迎え今年も頑張ろうという気になるかどうかだんだん微妙なご時世ではありますが、それでもどこかにあたらしい息吹や息遣いを感じると、まあそんなに悪い世の中でもないのかもしれないと一息つきます。

この正月でそんな気にさせたのは、まずもって朝日新聞であった。前にも書いたが小生の子供の頃の正月の新聞というのは、ニューヨークタイムスの日曜版くらい厚くて、読み応えのあるものであった。60年台〜70年台の上り調子のころだから、それも当たり前だが、懐かしく思い出します。とても面白い記事が満載であった。

いつのころからか、新聞がつまらなくなったのは、ネットが時代の先端情報を伝え始めたからだが、これにより自分が知っていることが格段に増えたと思い込んでいたのだね。最初は面白くてしょうがなかったネット。それに伴い情報の洪水に辟易しはじめてもいたのですね。

実際には視野狭窄になっていたんですね。そんなことに今日昨日気が付かされた。新聞を読んで久しぶりに感激したのだ。

実は小生など全く知らなかった教育現場があることを今朝知った。昨日は東大の新井紀子さんの人工知能の記事が載っていたが、これも凄みがあった。IT,ITと言っていたものの実相を初めて、肌感覚で意識させられた思いがした。新井紀子さんのことは、今朝の天声人語にも触れられていた。天声人語子も思わず触れずにはいられなかったのだろう、それほど小生にはグッと響いた。

こういうのがないと、新聞はつまらない。


  1. 教育現場のことであるが、「反転授業」というのがあるのだそうだ。 flip teaching (or flipped classroom)。本来の授業は前日Youtubeなどの「教えのプロによる授業」を見てきて、本番ではそれを前提に教室で皆で議論するというもの、あるいは個人の疑問点を授業で解決するというものなのだそうだ。これは面白いですね。

  2. 新井紀子教授のお話はもっと切実である。簡単に言えば「あなたのお子さんの将来の職業」に関わる 重大な世の中の変化のことである。

  3. 新井教授は人工知能の先端科学者であるが、わかりやすい切り口として人工知能のロボットが大学入試を受けると今、どんな成績か・・・・というのがある。

  4. 新井教授のロボットは「過去の入試問題、教科書、ウィキペディアなどを利用して大手予備校の模試を受けさせたところ、私大579校のうち403校で合格可能性80%以上。東大はまだ圏外だが、2021年合格が目標」なんだそうだ。

  5. このロボットのことはマスコミでも騒がれたので、知っている方もおおいと思うが、この先の見通しというか、予想に凄みがあるのだ。人工知能がこのまま進化すると、一言で言うと、今の華やかな職業が将来も存在するかどうか危うくなり始めているというものだ。

  6.  今現在の人工知能ができるようになったこと・・・「正確で深い言語理解」。これは解決の見通しがある程度たったそうだ。

  7. 含意関係認識。つまり言い換えできる関係かどうかを判断する能力・・・これが難しいのだという。


  8. これが進歩すると「グーグルよりはるかに進化した検索エンジンが生まれるでしょう」と新井教授は言う。

  9. そうなるとホワイトカラー労働者の1割程度の職がロボットに奪われるという。

  10. 次に「さらに〈1千字の内容を50字に要約する〉といった論旨要約までできる段階に進めば、影響を受けない事務労働者は、おそらくいないだろうと思います」と新井教授は言う。

  11. このくらいのレベルにロボット人工知能がなると、たとえば「税理士」の仕事が機械に置き換えられる可能性が出てくるのだそうだ。

  12. のほほんとしている貴方。すでに1980年台にタイピストや電話交換手という職業が消失したことを思い起こそう。なぜ当時話題にならなかったのかというと、新井教授の話では「被害を受けたのが女性だったからです」という。「大きな声にはならなかった」と言われる。

  13. これからは違うのだ。いつの間にか消失する職業をしっかり考えておいた方が良い。「子供は税理士」とか思っている方は、よほどしっかり考えた方が良いかもしれない。

  14. ただ「消失する職業」を考えるというのは、極めてスリリングでチャレンジングな知的遊戯である。これが出来るということは、一言で言うと未来が読めるということである。未来に必要とされ創成される職業を思い描くことも可能かもしれない。これが出来るヒトは素晴らしいと思う。あるいは子供なら可能かもしれぬ。でも小生には無理である。医療がどうなるか、人並みで代わり映えのせぬ予想が思い浮かぶにすぎぬ。今ある職業の一つ一つがどうなるか考えてみるのは大事かもしれない。


  15. 医療職も、のほほんとはしていられない。少なくとも診断部門では、人工知能の足音はそこまできているのだと思う。下手な医者よりも余程頼りになるiPadはすぐそこにあるかもしれぬ。

  16. さて朝日新聞は明日も熱いのであろうか?





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