キンドルが気になるこの頃
前にキンドルのメモを残したのはいつだったか?
検索すると昨年6月にメモした。2009年6月17日水曜日にメモした 「本を読むこと」2009年における新しい形態 アマゾンCEO、「Google Book Search」に不満を表明・・・であった。さて、医学生物学研究よりキンドルの方が気になる今日この頃である。
電子書籍としてアマゾンのキンドルはアメリカでは少しづづ地歩を固めつつあるようだ。今日の報道でそのキンドルについて面白い記事が載っていた。アマゾンは書いてくれる著作者に印税を70%払う方針を打ち出したという。これは魅力的である。一流で名をなした作家について、彼らがキンドルになびくかどうかはわからないが、名も無き多くの著作家たちにとってこれは革命的システムとなろう。なんせアマゾンは「long tail」の王国である。long tailと いうのは「無名の大多数」が「無名の大多数」を支えるシステムのことだ。アマゾンの革新的なところは情報と物件在庫システムと決済にネットを持ち込んで一 挙にこの難題を解決してしまったことだ。ここの所を見落とすと次にやってくるキンドル革命の本質が見えない。キンドルの本質がボクには今日ようやく見えて きた。これは無名の作家と無名の読者をつなぐ人類初のシステムであり、ここが大事なことであるが・・・無名の作家が「食っていける」システムである可能性 を大いに内包しているということだ。
ボ クが本を出したいとする。既存の出版システムに載っかるとこれは大変だ。文藝春秋に塩野七海が書いていたが、最近は塩野のような大家にして初版部数の削減 が通告される時代なのだそうだ。塩野七海が本を出せば、必ず一定数は売れるに決まっているのに・・である。(あるいはあの塩野ブームにもついに退潮傾向が 現れ始めたと言うことなのか?)始めに戻るが、ボクは本を出したいとする・・・ではなくてボクは本を出すつもりであり、材料は山のように書き込んでいる、 ため込んでいる。こんなボクが本を出版するのに良いタイミングは、実はキンドルの日本登場の日ではないかと思った。想像するにキンドル出版のハードルは実 に低いはずだ。(だってすべてon lineの上で済んでしまうのだから)70%著作者に支払っても、なんせlong tailである、充分元は取れるはずである。
20年前に絶版になった本が、いつの間にか復刻している世の中であり、その大きなdriving forceは アマゾンの古書市場動向であり、今ひとつは「復刊ドットコム」である。最近ではボクの書いたネット書評がもとで、ある新書が復刻された経験もある。出版界は今や ネットなしでは立ちゆかない。日本の出版社にキンドルの本質が見えているだろうか?ちと疑問である。ほっておくと「アマゾン」が日本の最大の出版大手とい う時代がくるかもしれない。問題は既存の大家の動向である(本当はどうでもいいのだけど、トレンドが作られるのはこれら名をなした人々の動きである)。まあ大 家は紙媒体にいてもらっても良いと思う。紙媒体が無くなるのは寂しいからな。問題は中堅以下の作家である。実はこの人達が面白いのである(ボクも仲間に入 りたい)。キンドルによって彼らの活躍の場所が与えられ、なおかつ立派な収入源になるといいな。「食っていける作家」を作るためのキンドル可能性はもっと 語られても良い。
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